2014年05月22日

着物の再生は洗い張りから、その次へ

 昭和のくらし博物館では、前年度「昭和くらしの学校 秋の定期講座」と銘打ち、衣食住に関わる様々な講座を12回連続で行いました。その初回、「着物の再生は洗い張りから」で講師を務めてくださったのは舞台衣装デザイナーの岡本孝子さん。着物をほどいて洗い張りをし、リメイクして舞台に映える豪華な衣装をつくるお仕事をされています。

岡本孝子さん.jpg


 講座当日、岡本さんは、伸子張りの作業に使う、きれいな銘仙をお持ち下さいました。布を水で洗ったのち、伸子を打って糊をつけ、パリッと乾かします。大きな矢絣の模様が昭和のくらし博物館の庭に縦横無尽に張り巡らされ、まるで舞台装置のような様子でした。

講座の様子.jpg


庭の伸子張り.jpg


 講座を終えてその布を岡本さんはお持ち帰りになったのですが、先日ドレスに仕立て直されたというお葉書をくださいました。写真に映るドレスは確かにあの講座で見た矢絣柄。しかし、立体的にカットされ、女優さんがレッドカーペットで着用するような華やかさです、まさかこんな風に大変身するとは!新たな人生を吹きこまれ、活かされた布はとても輝いて見えました。活かす力をつければ、着物でも、食材でも、あらたな可能性や喜びを作りだすことができる。岡本孝子さんの作品を拝見して、そんなことを改めて感じることができたのでした。

ドレス.jpg
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2013年10月03日

カエルの行水 再び

夏にバケツで行水するカエルがいたことをブログでご紹介しましたが、本日また、水遊びをしに来てくれました。
 彼(彼女?)はおそらく「昭ちゃん」という名前を職員につけられ、愛でられているカエルです。おそらく、というのは、この博物館には同じような大きさのカエル4〜5匹がいて、夜になると玄関先や庭で遊んでいるため、正確に見分けがつかないのです。
 しかし、バケツで行水するカエルなんて、世の中にそうたくさんいるものではありません。夏に行水の心地よさを知って、秋が深まる前にもう一度楽しみに来てくれたのでしょう。朝は水の中でうたた寝していたらしく、微動だにしませんでしたが、開館の準備などで物音がしだすと目が覚めたようで、水面から顔を出して庭の様子をじっと眺めていました。

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 来館された方も、珍しい光景に思わず顔がほころびます。行水というよりも、温泉にでも入っている風情です。久しぶりの秋の晴天を楽しんでいる昭ちゃんですが、あと少しすれば肌寒くなり、やがては冬眠するのでしょう。そうなると、春までしばしのお別れです。いまのうちに、秋の日射しをいっぱい浴びてくつろいでいってくれますように。

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