2019年11月21日

一夜限りの庭の幻燈会

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博物館、そして友の会も20周年の今年、数年ぶりに友の会有志“シルエットクラブ”による野外幻燈会が上演されました。
演目は「コーネルの庭の青い鳥」。
木箱に収めたコラージュ作品や実験映画の先駆者として知られるジョセフ・コーネルと、メーテルリンクの童話「青い鳥」の話を基軸に、時空を飛び越え昭和の世界を往来する、オリジナル脚本のものがたり。


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満州からの引揚船の子どもたちや原爆の話の朗読から、漫画家の勝川克志さんの人形劇によるミゼットとモスラの話あり、元はとバスのガイドさんによる「夢の東京はとバスツアー」あり、雑誌『赤い鳥』『銀の鈴』で活躍して広島で没した童話画家・清水良雄の朗読あり。
そして最後は、小泉家の四姉妹が登場する音楽影絵と、ゲスト出演者でチルチルを演じた女優の岩間沙織さんの青い鳥の舞でしめくくり、これまで上演してきた演目を様々に織り交ぜた、一夜限りの夢の劇場となったのでした。

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脚本・演出、その他雑用モロモロを担っていたのはシルエットクラブ主催の小松敏さん。
この20年間、博物館の庭の空間を使って人の集う場を作り続け、その間山あり谷ありだった思いに、最後の挨拶では声が詰まる場面もありましたが、その甲斐あって、この日は演者・スタッフとなった友の会の方など、ひさびさに多くの方が集って下さいました。
差し入れとカンパも、近くの方も遠方で来られない方からも沢山頂戴し、寒い11月の庭ながら温かい会となりました。
本当にありがとうございました。


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二日後に小泉館長のお誕生日だったため、スタッフ手作りのケーキでのサプライズお祝いも!
館長は86歳になりました。
「若い方が集まって館を盛り上げて下さるのは、本当に嬉しいこと」と非常に喜んでくれました。

上演後は暖かいおでんの大鍋を囲んでおつかれさま会を。
キャストもスタッフも一緒の手づくりの夢の劇場は終演しましたが、またいつかこんな風にして集まれれば。
友の会・ボランティアの皆様、本当におつかれさまでした!
(こ)

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おれたちひさびさにとうじょうしたぜ!(かつ坊)
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2019年09月22日

“反古紙の虫干し”&“箸をあつらえる” ワークショップの醍醐味!

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今月は、とても面白いワークショップを二つ開催しました。

一つは15日(日)、虫干しワークショップ〜紙と古文書の専門家と開ける反古紙(ほごし)の箱」
虫食いだらけの謎に包まれた古文書の箱を3人の専門家と開けて、謎を探るというもの。

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一見紙くずのようにしか見えない紙の束に最初は皆たじろぎましたが、その扱い方を教わり、古文書解読の歴史学者・西村慎太郎さん、文書修復の世界的大家・増田勝彦さん、文様研究家・下中菜穂さんの3人と共に解きほぐしていくと、ひとつひとつの謎が解けだし、その面白さに皆さん、すっかり魅了されていました。

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紙の種類や扱い方、襖の下張り、文書の出どころ、虫食いのこと、などなど。
参加者の視点や興味の対象も様々で「もっとやってみたい!」という声も飛び出し…紙についての虫干しも続けることとなりました。

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紙のお菓子!?
実は春巻きの皮を焼いたもの。下中さんの創作です。
色々なお味があっておいしかった!

“虫干し”とは、書物や着物を広げて風を通すこと。
かつてはどの家でもやっていたことをもう一度やってみることによって、現代に新しく見えてくることがありそうです。


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もう一つは21日(土)「木のモノづくりワークショップ〜愛用できる箸をあつらえる」
岐阜県の森林文化アカデミーから、輪竹剛さんと松井勅尚さんのお二人の先生を招いて行いました。

6名という贅沢なワークショップでしたが、現在使っている箸も皆さんそれぞれ。
毎年新調する人、戴きものを使っている人、継ぎ箸を15年以上愛用している人、作家モノを使っている人、お店でお気に入りを買った人、普段は割り箸を使う人などなど。
自分の手に合った長さを選び、桜、樫、朴、楓の中から樹種を選び、豆をつまんで形を考え、デザインし、何度も削って天然のオイルを掛けて、完成させました。

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美濃のおいしいよもぎのおまんじゅうを完成したお箸で食べて形を感じる。

「こんなにじっくりお箸と向きあったのは初めて」という方や、最初と最後で箸を持つたたずまいが変わった方も。
そして実はこれが完成ではなく、その後使っていくうちにどのように変化していくか、愛着がわいてきたかどうかまでを追跡するワークショップなのです。
そしてこちらもやっていく中で、第2回もやってみたい!という声も。

参加者の皆さんのやりとりで発展していくのがワークショップの醍醐味ですね。
ものの見方、関わり方がどう変わっていくか、どちらも引き続き楽しみです。
(こ)
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2019年09月12日

10/5(土) 20周年記念「童話作家・中川李枝子さん×小泉和子館長」くらしと家庭の大切さを語る対談会

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今年、博物館が開館20周年を迎えることを記念して、生活史の研究者である小泉和子館長と、『ぐりとぐら』『いやいやえん』『子どもはみんな問題児。』などの著作で知られる童話作家の中川李枝子さんの対談会を行います。

長年幼児教育に携わり、生誕50周年を迎えた『ぐりとぐら』などベストセラーとなった絵本や童話を数多く生み出し、ジブリアニメ「となりのトトロ」のテーマ曲「さんぽ」の作詞などで知られる中川李枝子さんと、家具・道具・生活史の研究者でありながら20年前に実家を「昭和のくらし博物館」として公開し、館長として日々のくらしや家事の大切さを伝えてきた小泉和子。共に、戦前・戦中・戦後の激動の時代を生き抜いてきた同世代の女性として、くらしと家庭の大切さをテーマに語っていただく貴重な機会となる予定です。
子どもを取り巻く環境が大きく変わる中、ぜひ多くの方のご参加をお待ちしております。

■20周年記念「童話作家・中川李枝子さん×小泉和子館長」
 2019年10月5日(土)13:30〜15:30


場所:大田区民プラザ 小ホール
   大田区下丸子3−1−3
   (東急多摩川線下丸子駅前・昭和のくらし博物館より徒歩5分)

参加費:2,000円(博物館の入館料・お茶お菓代込み)
    *トーク会場から徒歩5分の昭和のくらし博物館もご入館いただけます。
   (2019年10月末まで有効)
申込:要予約(定員150名・先着順)
  氏名・年齢・電話・住所・メールアドレスをご記載の上、下記博物館までお申し込み下さい。

主催・申し込み:NPO法人昭和のくらし博物館        
    tel/fax 03-3750-1808(電話での問い合わせは開館日にお願いします)  
    メール mail@showanokurashi.com
    住所 東京都大田区南久が原2-26-19

    開館 金・土・日曜日・祝日 10:00〜17:00        
    ホームページ http://www.showanokurashi.com/

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中川李枝子さんの著作。
絵本・童話だけでなく、長年の保育士の経験を通して
若い家庭や子育て世代への応援メッセージも多く書かれています。
とっても素敵な方です!

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開館20年を迎える昭和のくらし博物館。
参加費でこちらもご入館いただけます!
(チケットは10月末まで有効)
posted by showanokurashi-blog at 10:06| Comment(0) | イベント報告